無職で金が無い主人公。
会社を辞めはや一年。
新しい仕事にも着かず、残ったお金でやりくりしていた。
買い物はいつも、一週間分をまとめて買い、それ以外はほぼ外出もなし
ある日、いつものように買い物をしてた時、レジが混雑していた。
原因は女性の店員さんが慣れていないのか、ゆっくりと会計をしていたからだ。
余計な一言だが、体型も芳しくない
だが決して、サボっているわけでも、やる気が無いのではない
むしろ、必死にやっていた。
だから僕はイライラしなかった。むしろ心配になった
僕以外のお客さんはイラついてる人も何人かは居た。
僕は昔から温厚な性格で、平和主義の争いを避ける傾向にある性格なので
イライラしても自分をコントロールできたり、イライラしても体力を消耗するだけだと
ちょっと冷めた性格な事もありイライラする事はなかった
僕の順番になった時、案の定、店員さんのレジ打ちは遅い
一個一個の作業が遅くて時間がかかっている
僕の後ろのJK2人組もぶつぶつと文句を言っている
ただ僕は頑張って仕事をしてる店員さんに対して苛立ちは無かった
むしろ何か助けられる事は無いかと考えていた
そこで気付いたのが、レジがここしか開いてなかったことだ
レジヘルプはレジをしてる人が応援する事が一般的だ
この店員さんは
『今、自分の目の前に起きてる事』に必死だったので、視野が狭くなっており
『ヘルプを呼ぶ』って事に気付いて無かったのだ。
僕がそれに気付いた瞬間に後ろから『他に誰か店員居ないのかよ』と声が聞こえてきた
その声で気付いたのか、店員さんがマイクを持ち出しヘルプを呼ぼうとした
震えたか細い声で『レジ応援お願いします』
ただパニックになっているのか、あまりにも聞き取れる声では無かった
店内の様子は変わらず、店員さんが来る気配が無い
余計にパニックになっていく店員さん。
そこで僕は『マイク貸してください』『あっはい』
『レジ応援お願いします!』
本当はダメだとはわかっていたが助けれずにはいられなかった
しばらくすると店員さんが来て、他のところでレジが開き
混雑は落ち着いたのだった
僕の会計が終わり
店員さんから『ありがとうございました、、、』
汗でびっしょり、少し震えたか細い声が僕に聞こえました
『いえいえ、とんでも無いです』
その一言だけを言い、家に帰りました。
一週間後、また買い物に行った時、同じ店員さんがレジをしていました
一週間前よりも作業が慣れたのか、混雑はおきてませんでした
『この前はありがとうございました』『おかげで助かりました』
この前とは違う、明るい声でした
そして会計が終わりレシートと一緒にもう一枚、紙を渡されました
とある神社のパンフレットだった(期待したのに、、、)
『私、ここが実家なんです、もし宜しければ来てくれませんか?』
『父にこの前の出来事を話したら『そんな優しい方が居たのか、是非会って感謝を言いたいなぁ』っと言っていたので来てくれませんか?』
僕は思いました(いきなり父親に会うの!?マジかよ、、、)
さらに言うと、彼女の見た目は僕の好みと正反対でした
僕の内心、気を使うだけだから行きたくないなぁ〜っと思っていました
ただある一行に目が惹かれました
『神社内の掃除をしてくれる方募集中!!』
僕はお金が無くそろそろバイトでもしなくちゃなぁ〜と思っていた所だったので
『あ〜 時間はいつでもあるのでお父さんの都合が良い日を言って頂ければ行きます』
と僕は言いました
彼女は笑顔で『わかりました!父に聞いておきます!』
それがきっかけで連絡先を交換し、スケジュールを合わせました。
〜10年後〜
僕は家庭を持っていました、子宝にも恵まれ、子供も3人、夢を叶え、自分のやりたい事を仕事にし毎日を幸せに暮らしていました。
そうです、奥さんはあの『店員さんです』
あの事がきっかけになり
あれから『彼女』の方は、僕に好きになってもらいたくダイエットをし
今では誰もが『綺麗』と思える程のスタイルになっていました。
僕は毎日が幸せで『本当に人生って何が起こるかわからんな』とつくづく思う毎日です
そんなある日、一人の警察官が僕に尋ねてきました
『ここら辺で怪しい人を見かけませんでしたか?』
『いいえ。知りません』
『実は最近、ここら辺で物騒な事件が多くてそれの周辺を聞き込みをしているのです』
『あっそうなんですか』
『また何か気が付いた所があれば連絡ください』
『わかりました』
最近、警察官がウロウロしているのは気付いてたがそんな『大事件』が起きてるとは
予想だにしてなかった
それからその警察官とはちょこちょこ会ってはいたが、時に話す事も無いので会話は一切しなかった。
家族が巻き込まれなければ良いやっと思っていたので
特に気にすることもしなかった
『警察が犯人を捕まえるだろう』と安易に考えていた
ある時、家に帰ると息子が居なかった
妻に『あれ⚪︎⚪︎は?』と尋ねる
『そこに居な〜い?』
『いや、居ないけど』
すると息子の服を着たあの警察官がそこに居た
『気付かなかったの?父さん。』
頭の整理が追いつかない僕
『どういうことだ!何を言っている!』
『父さん、落ち着いて、僕の話を聞いて!』
混乱する僕を必死に止めようとする警察官
『実は僕はお父さんの息子⚪︎⚪︎です。30年後の⚪︎⚪︎です』
全く理解ができない僕だったが息子の話を聞くことにした
〜2時間後〜
『ってな訳で僕は今、ここに居ます』
簡単に息子の話をまとめると
『30年後に僕の家族、さらに僕らの家系をも狂わす事件が起きる
それの原因となるのがこの『30年前』のここだ』という
冷静に考えると
僕の父も警察官である。それも現役の。
なのに父から事件の連絡は無かった。
親子だからなにか事件の事をいちいち連絡することも無いと思うが
僕の家の付近で起きてる事件なら父から『大丈夫か?』ぐらいの連絡があってもおかしくは無いだろう
でも何も連絡は無い
さらに息子からは僕らしか知らない情報
僕と妻の出会いや、これから生まれてくる『3人目の子供』事も知っている
もちろん名前までも。
息子の事は半信半疑だか辻褄が合っているので納得せざるを得なかった